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顔面のケガ・骨折とその後遺症による顔面変形の治療

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顔面のケガ・骨折とその後遺症による顔面変形の治療

 

1.顔面のケガについて

顔面は、スポーツでの事故、交通事故などで、一番ケガが多い部分です。顔面の皮膚のすり傷、切り傷に始まり、鼻、ほほ(頬)骨、眼か(眼窩:眼のくぼみ)、あご、などの顔面骨骨折、深い傷による顔面神経の切断に伴う顔の表情の障害、などなど多くのケガの種類があります。

一度受けた顔の傷を目立たないように治し、顔面の変形をできるだけ元の状態に治すため、形成外科・美容外科の専門技術を駆使して、日々最善の結果を目指して治療に取り組んでいます。

また、顔面骨骨折は、ケガしてもしばらくそのままで治療を受けなかった場合(陳旧性)や、治療を受けた場合でも顔面変形が残る場合があります。私たちは、特にこれらの顔面変形に対して、形成外科・美容外科の専門的治療を行っております。

 

2.顔面骨骨折の治療方法について

顔面骨骨折

顔面骨骨折が生じやすい代表的な骨として、鼻骨、頬骨、眼窩骨(眼窩底、内壁)、下顎骨があります。

(1)鼻骨骨折

鼻が曲がったり、低くなったりと鼻の変形が生じます。鼻血も出ることが多いです。程度がひどいと鼻の奥の鼻中隔も湾曲骨折して、鼻の通りが悪くなります。大きな腫れは1週間程度で引いてきますが、だんだん変形が目立ってきます。手術は、ケガをしてから2週間以内にします。手術は、全身麻酔で寝ている間に、特殊な器械でずれた鼻骨を元の位置に戻して、鼻ギブスをあててずれないように固定します。手術の次の日には退院できますが、鼻ギブスは1-2週間あてておきます。手術後3週間程度は、鼻かみや鼻に強い力がかかると骨がずれてしまいますので、気を付けていただきます。手術後6週間以降は、鼻に力がかからないように気を付けながらスポーツをしていただきます。

 

(2)陳旧性鼻骨骨折(鼻骨変形治癒骨折)

鼻が曲がった状態(斜鼻変形)、鼻が低くなった状態(鞍鼻変形)に鼻の通りが悪い状態(鼻中隔湾曲症)が合併することがあります。手術は、全身麻酔で寝ている間に行います。鼻骨以外にも鼻の軟骨変形や鼻中隔も変形していますので、これらの変形を直視できるオープン法で変形をしっかり治して、変形した鼻骨も切って元の位置に戻します。鼻の骨の変形が強い場合は、鼻中隔軟骨、肋軟骨、耳介軟骨などを移植して、形を整えることが必要になります。手術後は、鼻ギブスをあててずれないように固定します。退院は鼻出血が落ち着いた手術後2,3日後にできますが、鼻ギブスは1-2週間あてておきます。手術後3週間程度は、鼻かみや鼻に強い力がかかると骨がずれてしまいますので、気を付けていただきます。手術後8週間以降は、鼻に力がかからないように気を付けながらスポーツをしていただきます。

陳旧性鼻骨骨折の症例はこちら

 

(3)頬骨骨折

ケガ直後は、折れた頬骨周囲が腫れて、ほほから上唇にかけてしびれが生じます。腫れが引いてくると、ほほが低くなり、眼が下がったように顔が変形します。手術は、ケガをしてから2週間以内にします。手術は、全身麻酔で寝ている間に、特殊な器械でずれた頬骨を元の位置に戻して、1年ぐらいかけて体の中で吸収される吸収性プレートで2-3か所固定します。切開部分は、下眼瞼、口腔前庭の目立たない部分です。これに、眉毛外側やこめかみの髪の毛の中に追加切開を加える場合があります。これらの切開は、2カ月程度すると目立たなくなりますので、傷あとを心配する必要はありません。

手術の次の日以降には退院できます。術後1週間で、抜糸をします。手術後3週間程度は、なるべくケガをしていない側で軟らかめの食事をとって頂きます。手術後8週間以降は、ほほに力がかからないように気を付けながらスポーツをしていただきます。

 

(4)陳旧性頬骨骨折(頬骨変形治癒骨折)

頬骨骨折を3週間以上放置していくと、頬骨がずれた場所でくっついてしまいます。ほほから上唇にかけてしびれが残ったままですし、ほほが低くなり、眼が下がったように顔が変形したままとなります。手術時期は、既に変形した状態で骨がくっついてしまっているのでいつでもいいのですが、ほほのしびれの原因は神経が骨に挟まれていることになりますので、神経のことを考えるとできるだけ早いことに越したことはありません。手術は、全身麻酔で行います。まずほほの神経が挟まれている部分の骨を、取り除いて神経の圧迫を解除します。続いて、既にずれた位置でくっついている頬骨を切り離し、元の位置に戻して吸収性プレートやチタン製プレートでしっかり固定します。場合によっては、骨移植が必要になる場合があります。また、頬骨の変形が強い場合には、ほほの神経の圧迫を解除した後に、手術前に反対側の頬骨を参考にして作製しておいた人工頬骨を移植します。切開部分は、下眼瞼、口腔前庭、眉毛外側の目立たない部分です。これらの切開は、2カ月程度すると目立たなくなりますので、傷あとを心配する必要はありません。

退院は、手術後の腫れが強く生じますので、腫れが落ち着つきはじめる3日目以降をお勧めしております。術後1週間で、抜糸をします。手術後3週間程度は、なるべくケガをしていない側で軟らかめの食事をとって頂きます。手術後8週間以降は、ほほに力がかからないように気を付けながらスポーツをしていただきます。

 

(5)眼窩底・眼窩内壁骨折

ケガ直後から次第に眼が腫れてきて開かないぐらいになることがあります。典型的な症状には、目の動きが悪くなり、特に上を向いたときに物が二重に見える複視とほほのしびれが生じます。

強い眼の痛みと吐き気が伴う症状は、眼を動かす筋肉が骨折した骨の隙間に挟まっている場合に多く見られる症状です。この場合は、緊急手術で筋肉の圧迫を取る必要があります。

通常、3日目以降に眼の腫れが引いてくると、眼球が凹んだ症状(眼球陥凹)が目立ってきます。鼻をかむと鼻から眼の方に空気が漏れてきて眼が腫れますので、手術までと手術後3週間は鼻かみ厳禁です。

手術は、ケガから2週間以内に、眼の腫れがある程度引いた頃に行います。手術は、全身麻酔で行います。

眼窩底骨折の手術の切開部分は、主に下眼瞼の結膜側ですので、傷あとを心配する必要はありません。眼窩底の骨折部分を元に戻し、1年ぐらいで体の中で吸収される吸収性プレートで穴の部分をふさぎます。穴が大きい場合は、吸収性プレートでは後戻りが生じる可能性がありますので、腰の骨(腸骨)の一部分を採って細工したものを使って穴をふさぎます。

眼窩内壁骨折は、鼻の穴から内視鏡という細いカメラを使って、骨折部分を元に戻して、後戻りしないようにシリコン製のブロックを留置します。これは、手術後8週して骨がしっかりした頃に抜去します。

 

退院は、眼の腫れが落ち着いた術後2,3日目です。術後1週間で、抜糸をします。手術後3週間程度は、鼻をかまないように注意して頂きます。手術後大切なことは、動きの悪かった眼の動きを良くするために、眼を良く動かして頂くリハビリテーションをしっかりしていただきます。このリハビリテーションは3カ月程度続けていただきます。

 

 

(6)陳旧性眼窩底・眼窩内壁骨折

ケガを受けてから1カ月以上、眼窩底骨折の治療が遅れたり、手術治療がなされても十分な治療が難しかった場合に生じます。また、骨折の程度が大きい場合が多いので、治療は大変難しくなります。この手術は、顔面骨骨折の中でも最も難しい手術になりますので、複数回の手術が必要になる場合もあります。主な症状は、物が二重に見える複視とほほのしびれ、そして眼球が凹んだ症状(眼球陥凹)です。

手術は、なるべく早い時期をお勧めいたします。手術は、全身麻酔で行います。眼窩底骨折の手術の切開部分は、主に下眼瞼の結膜側ですので、傷あとを心配する必要はありません。眼窩底の骨折部分は、上顎洞粘膜とほほの感覚の神経(三叉神経)とゆ着しておりますので、顕微鏡を使って丁寧にはがして、元に戻し、腰の骨(腸骨)の一部分を採って細工したものを使って穴をふさぎます。

眼窩内壁骨折は、時間が経っていてもゆ着などの心配が少ないので鼻の穴から内視鏡という細いカメラを使って、骨折部分を元に戻して、後戻りしないようにシリコン製のブロックを留置します。これは、手術後8週して骨がしっかりした頃に抜去します。

退院は、眼の腫れが落ち着いた術後3日目以降です。術後1週間で、抜糸をします。手術後3週間程度は、鼻をかまないように注意して頂きます。手術後大切なことは、動きの悪かった眼の動きを良くするために、眼を良く動かして頂くリハビリテーションをしっかりしていただきます。このリハビリテーションは3~6カ月程度続けていただきます。

陳旧性眼窩底骨折・内壁骨折の症例はこちら

 

(7)下顎骨骨折(正中部、体部、角部骨折)

殴られたり転倒して強く下あごに力がかかった場合に生じます。主な症状に、かみ合わせのズレ(咬合異常)、口を開けられない(開口障害)、下唇のしびれがあります。

手術は、ケガから2週間以内に行います。手術は、全身麻酔で行います。まず、かみ合わせのずれを治す顎間固定または顎間誘導を行う装置(顎間固定スクリュウやアーチバー)取り付けます。主に口の中から、骨折部分にアプローチし、骨折を元の位置に戻してチタン製のプレートで固定します。

手術後は、主にゴムで顎間誘導を行います。退院は、腫れが落ち着いて流動食がとれるようになった術後2,3日目です。術後8日目以降は、食事の時はゴムをはずして、もうすこし形のある食事をしていただきます。術後21日目までは食事以外は、ゴムをつけていただきます。それ以降は、かみ合わせの状態が良ければ、顎間固定装置が外れますし、夜間のみのゴム固定を継続することがあります。

 

(8)下顎骨関節突起骨折

顎関節は、顔面唯一の関節で、非常に特殊な形態と機能があります。他の下顎骨骨折同様、殴打や転倒が原因で骨折します。主な症状に、かみ合わせのズレ(咬合異常)、口を開けられない(開口障害)、下あごの後退があります。顎関節は、深い場所にあり、しかもその上には顔面神経が邪魔をしているため、大変手術がしにくい場所ですので、手術も難しくなります。私たちは、骨折して短縮してしまった顎関節部分を広げる骨延長器を取り付けて治療する画期的な「動的牽引療法」を開発し、ほとんどのタイプの骨折の治療に用い、良い治療結果を得ております。

手術は、ケガから2週間以内に行います。手術は、全身麻酔で行います。まず、かみ合わせのずれを治す顎間固定用のアーチバーを取り付けます。もみあげの後ろ側と下あごのえらの少し下を1.5 cmぐらい切開して、頬骨弓と下顎角部に骨延長器を取り付けます。骨折側の奥歯が2,3mmの隙間ができるくらい顎関節部分に牽引力をかけます。皮膚の切開は短いですし、手術後1~2カ月程度で目立たなくなります。

手術後は、ゴムで顎間誘導を行います。退院は、腫れが落ち着いて流動食がとれるようになった術後2,3日目です。術後1週目以降は、食事の時はゴムをはずして、もうすこし形のある食事をしていただきます。術後2週日までは食事以外は、ゴムをつけていただきます。それ以降は、指1本分までの口を開ける制限がありますが、口を開けて食事をとって頂きます。

術後1カ月程で、奥歯の隙間は自然になくなり、かみ合わせもあってきます。骨延長器は、術後3カ月以降はずしますが、それ以降は積極的に口を開ける練習をしていただきます。

 

(9)陳旧性下顎骨・下顎関節突起骨折

術後3週間以上、骨折の治療が遅れたり、手術治療がなされても十分な治療が難しかった場合に生じます。主な症状は、かみ合わせがずれていたり、口を大きく開けることが出来なかったり(開口障害、強直症)、口を開けると顎関節が痛んだり(顎関節症)顔が曲がって見えるような顔面変形などです。

手術は、なるべく早い時期をお勧めいたします。かみ合わせがずれている場合は、手術前に歯科矯正医の先生の診察が必要となります。

手術は、全身麻酔で行います。手術は、口腔内の切開から行いますので、傷あとを心配する必要はありません。骨折部分を骨切りしたり、下顎骨矢状分割骨切り術や垂直骨切り術などでかみ合わせを合わせます。

骨折した顎関節が関節内で癒着している強直症の場合には、癒着を解除した後に骨延長器を用いて動的牽引療法を行います。

顔面変形が複雑な場合には、さらにおとがい形成術を行い、顔面の非対称を改善いたします。

術後一過性に、下唇の感覚が鈍くなりますが6カ月以降で改善してきます。

術後は、かみ合わせを合わせるための顎間固定や誘導を行います。

術後3週以降は、顎間固定を解除し、口を開ける練習・リハビリテーションを徐々にしていただきます。また、術後3週以降、歯科矯正治療を継続します。最終的に良いかみ合わせと良好な顎関節機能の獲得を目指して治療を継続します。

陳旧性下顎骨・下顎関節突起骨折の症例はこちら

 

(10)その他の顔面骨骨折

前頭骨・前額部骨折、上顎骨骨折などあり、それぞれの骨折に専門的な治療を行っております。

 

3.その他の顔面のケガの治療法について

(1)すり傷・切り傷の治療

初期治療が大切です。病院できれいに洗浄し、深い傷は丁寧に縫合します。通常は、6-0、7-0という大変細い糸で皮膚を縫合します。抜糸は、1週間後に行います。

眼の周りの眼瞼部、口唇部、耳、鼻など特殊な形と機能がある部分は、ケガのあとの変形を最低限にするために、形成外科での専門的な治療が必要になります。

(2)涙小管損傷

眼頭の切り傷が深い場合、眼がしらにある涙小管が切断されている場合があります。涙小管は、涙を鼻の方に送る細い管です。これが切れると涙目の症状に悩まされますので手術が必要になります。涙小管は細い管なので、ケガした時、すぐにわからないこともあります。

手術は、顕微鏡で切れた細い涙小管をつなぎますので、全身麻酔で寝ている間に手術します。手術の次の日には退院できますが、つないだ細い管がつぶれないように、シリコン製の細い管を数週間入れておくことが必要になります。

 

(3)顔面神経損傷・断裂

顔の切り傷が深い場合、顔の表情を作る筋肉を動かす神経の顔面神経が切れていることがあります。ケガした時にはすぐには、わからないこともあります。眼の外側を切った場合には、眉毛を上げる神経の枝(側頭枝)が切れていることがあり、眉毛が下がったままになってしまいます。また、下あごを切った場合には、下くちびるを下げる神経の枝(下顎縁枝)が切れていることがあり、口の形が変形したままになります。ほほの真ん中を切った場合には、口角を上げて笑う神経の枝(頬枝)や目を閉じる神経(頬骨枝)が切れて、それぞれ笑えなくなったり、眼を閉じにくくなります。

手術は、顕微鏡で切れた細い神経をつなぎますので、全身麻酔で寝ている間に手術します。神経の損傷が強い場合は、自分の神経を移植、または、人工神経を移植する必要があります。手術の次の日には退院できます。手術後動きの回復には最低6カ月程度かかります。


お問い合わせは、形成外科・美容外科 外来受付まで TEL 03-5343-5611 午前9:00~16:00(日曜・祝祭日・年末年始は除く)

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