性別適合手術としての「のど仏」形成手術
春の学会シーズンがひと段落しましたので、2カ月ぶりにブログを更新いたします。
今回は、顔の性別適合手術の一つとして最後の関門になることが多い「のど仏」形成術について取り上げます。
男性顔が顔面輪郭形成術で女性らしくなっても、男性の象徴としての「アダムの林檎」という言われる「のど仏」 が残っていて目立つため最後まで悩まれる方がおられます。
「のど仏」は、首のちょうど真ん中にあり、この部分の皮膚と皮下組織は薄いため「のど仏」を切除された後の傷は、首を切られたような不自然な傷として大変目立ちます。多くの場合、傷は徐々に目立たなくなりますが、うっすらとした赤みやひきつりが残る傾向にあります。
そこで、私たちは、目立たないなるべく下あごに近く、正面からは見えない位置に首のシワに沿うように小切開を置いて、そこから特殊な方法でのど仏の軟骨(甲状軟骨)をしっかり切除します。
抜糸は術後1週間程度で行います。傷は、手術後2ー3カ月間はやや硬い状態ですが、それ以降は落ち着いてきて、首のシワの走行に沿っていますので、目立なくなり、女性らしい首筋に近づきます。
この手術は、顔面輪郭形成術と同時に行うこともできますので、治療期間の短縮も可能となります。
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