当科における閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する顎矯正外科治療
当科では、上顎と下顎を前方に移動する顎矯正外科手術により顔面骨格を広げることで、狭い空気の通り道を物理的に広げる外科治療を行っております。
この方法は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する原因を解消する治療ですので、根治療法ということになります。
この治療は、上顎と下顎を前方に移動する顎矯正外科手術により顔面骨格を広げることで、狭い空気の通り道を物理的に広げる外科治療です。海外では、10年ほど前からCPAP療法とならんで治療効果が高くまた唯一の根本治療としてよく行われている治療ですが、日本ではこの分野の治療が大変遅れているため、これからポピュラーな治療なってくると考えられます。
上の写真では、術前(左側写真)に狭かったのどの空気の通り道(赤線部分)が、上顎骨骨切り(ルフォーI型骨切り)術と下顎骨矢状分割骨切り術の組み合わせた手術により、術後(右側写真)に大変良くひろがってろがっていることが分かります。
この治療は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する原因そのものを解消する治療ですので、根治療法ということになります。一般的によく用いられているCPAP(持続陽圧呼吸)治療や歯科で行なわれている口腔内装置治療は、あくまでも対処療法ですので、一生使い続けなければならない治療とも言えます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する顎矯正外科手術が適応となる方
当科においてこの顎矯正外科手術が適応となる主な方は、
①顔面骨格、特に下顎が小さい方、
②CPAP治療や口腔内装置治療の煩わしさから解放されたい方、または過去にこれらの治療から離脱された方、
③CPAP治療や口腔内装置治療が適応であるにも関わらず治療を躊躇されている方、
が対象となります。
当科における顎矯正外科手術の特徴ーサージャリーファースト アプローチを用いた顎矯正外科治療ー
この顎矯正外科手術では、歯並びや咬み合わせの安定を得るために歯科矯正治療も併用する必要があります。 当科では、これまでに多くの顎変形症や生まれつきの顔面低形成に対して術前歯科矯正治療を行わないあるいは最小限のみ行う手術先行方式:サージャリーファースト アプローチを用いて顎矯正外科手術を行なってきました。そこでこれまでに培われてきた技術を、閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する根本治療を目指して応用しています。
サージャリーファースト アプローチを用いた顎矯正外科治療では、歯並びが悪くない方は、まず顎矯正外科手術を行い、術後に咬み合わせが大きくずれないような歯科矯正治療を行い、早期に閉塞性睡眠時無呼吸症候群の症状を改善します。 歯並びが悪い方でも、手術前に短期間、最低限の歯並びを歯科矯正してから、出来るだけ早く顎矯正外科手術を行い、術後に歯科矯正治療でもう少し良い安定した咬み合わせにする方針で、早期の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の症状を改善します。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群そのものに対する顎矯正外科手術の適応に対しては、現状では健康保険が適応されませんので、自費治療になります。
もちろん、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の原因として、咬み合わせが悪く下顎が後退しているような場合には、病名が付きますので、健康保険が適応された治療が可能となります。
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